村長の一言 8.5(水)付

monk-ey Studio info.

[うわッ、長ッ!と言わず、最後までお付き合い下さいませ]

皆様、長い梅雨がようやく明け、いつもの暑い夏がやってきましたが、お元気でお過ごしでしょうか。

お陰様で川登芸術村も第10回を数えるアートフェスティバルですが、もう間もなくの今週末に迫ってまいりました。

今回は東京組は出演を自粛しまして地元だけとなりましたが、豪華メンバーが揃い楽しみな2日間となりました。
皆様にもきっとご満足いただけるものと確信しております。
どうぞ万障お繰り合わせの上是非お越し下さいますよう、お願い申し上げます。

自粛組の中には長い出張の形で東京在住の村長自身も例外ではありませんので当日、皆様方にご挨拶できない無礼をお許し頂きたいと思います。

世の中、相変わらず蒙昧が続きコロナ禍は一向に収まる気配がありません。
川登芸術村の村長の個人的意見としては今年に始まった訳ではなく、以前からウイルス自体、現代医学が長い年月を掛けて命を吹き込み続けてきた空想的産物だと考えていますので、この新型コロナウイルスも100年後には医学の大きな勘違いだったということになっていると信じて疑いませんが、また山口チーフマネージャーにそのようなご託は川登でではなくニューヨークに行って世界に発信してくれと言われそうなので止めておきますが、この春からは大袈裟にいえば「それでも地球は廻っている」のガリレオ・ガリレイと「悪法もまた法なり」のソクラテスの二役を演じさせられているような気分です(笑)。

この半年くらいの間コロナ禍と言われる世相に私たちのライフスタイルも大きく変更を強いられてまいりました。

その中でも特筆すべきはライブの自粛でしょう。いわゆる三密の典型的な例として真っ先にやり玉に挙げられました。ナマの良さを全面に推し進めてきた川登芸術村としましてもかなりの打撃ではありました。
しかしこうして存続しているということで皆様方に感謝しないではおれないだろうという気持ちです。

コロナ後の世界の…などとノンキなことを言っている哲学者や評論家がいますが、封印している村長の考えからするとコロナ後などというのはありえず、このままコロナ禍はあり続けると考えています。

ならば逆手に取って音楽・芸術のありかたをこの際根本的に見直してみようという実験もありかなと思う今日この頃です。

例えばライブのメリットを上回るパフォーマンスはできないものかと。
そこですぐ思い出されるのはかつてセンセーションを巻き起こしたピアニスト、グレン グールドです。
思い返せば思い返すほど彼こそこの世界的なコロナ禍の申し子ではないか、まるで半世紀後の音楽・芸術家の生きる道を予見していたかのようです。
彼はクラシック音楽ながら全米チャートであのジャズの帝王サッチモを押さえ堂々1位に輝いたピアニスト。
ある時を境に一切のコンサートから突然身を引き死ぬまでスタジオ録音のみの音楽人生を送った人物です。
ライブのメリットとデメリットを芸術的に判断した結果、録音の方がすぐれていると確信した希有の人です。

考えてみると、音楽的レベルに雲泥の差があるのでグールドも一般論で自分を引きあいに出されて迷惑かも知れませんが、確かに誰でもライブでは上手くいかなかったがウチでケイコしている時は自分でもこれだ!と思うくらい上手く行くことがあります。
だとすれば自分が満足するまでテイクをとり、いいとこ取りの修正版をとことん追求して作ることを目指せば最高の作品が出来上がる!
無論、人前ではライブは絶対やらない(笑)。

以前、テレビのドキュメンタリーで見たメニューインとグールドの会話の1場面を記憶で再現してみるとこんな風でした。
メニューインに「カンベンしてくれよ、グレン。それじゃあ山登りの楽しみだって映像で見た方がいいってことになるじゃないか。やっとのことで頂上に登りつめ目の前に広がる景色を見たときのあの感動は、やっぱり実際に山に登ってみないとわからないんじゃないかな」と言われグールドは即座に答える。
「いや、それだって技術が発達すればきっと乗り越えられるさ。山好きの人たちも、何も登山口までの渋滞を我慢してまで行くことなどなくなるさ」と。
グールドが亡くなって40年近く、撮影、録音・録画、再生などの技術は当時と比べものにならないほど進歩を遂げている。

ナマの感動の臨場感をどうすれば保存できるか、ナマよりもっと迫ってくるものを作品として作り出せるか。課題はつきず、多少芸術至上主義にハマりそうな感はあるのですがコロナ禍で音楽家や演劇人たちにグールドが示した道は灯りがついたような気がします。
少なくともグールドの時代からすると現代のテクノロジーは贅沢極まりないでしょう。
うん?ひょっとしたらグラントワの大ホールで村長指揮川登芸術村オーケストラと川登合唱団のベートーベン第9交響曲のDVDも夢ではないのか?!

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